🔹葬儀の準備

■葬儀を安くするには!〜家族葬、1日葬、無宗教葬、直葬〜

平均的に約200万円程度かかると言われる高額な葬儀費用ですが少しでも安く抑えたいものです。特に高齢者の場合は知人友人関係も亡くなり、要介護で葬儀に来くことができないなどにより参列者が少なくなるのが通常です。そのため、高齢者の葬儀は簡素に家族や親せきだけで行うのが一般的なっています。しかし、遺族がどうしても体面にこだわったりするためある規模にならざるを得ない場合も多くあります。また、お寺との関係で従来の形式を変えることが難しく一定の規模になってしまう場合も少なからずあります。お寺との関係を変えるのはある程度の覚悟も必要ではないでしょうか。今までの葬儀のあり方を見直し、より少ない費用での葬儀の方法を考えてみたいと思います。なおここで言う葬儀とは一般的な仏教式であれば通夜、葬儀・告別式全体を含むものです。


1.葬儀費用の構成と安くなる要素 葬儀費用の構成は大きく分けて、葬儀施行費、接待・返礼品費、宗教関連費の3つからなります。葬儀施行費は一般的に葬儀社関連の費用です。

①葬儀施行費
葬儀施行費を安くするには、葬儀社で祭壇、生花、棺などでランクがありコース分けされていますが、参列者の層や人数を考え検討します。故人が高齢であれば参列者数も少なくなり簡素な形態で構わないでしょう。故人が著名である場合や経営者であった場合などはどうしても小規模では行いにくいものです。世間体を気にせず簡素な小規模なものにすれば費用は抑えられます。

②接待・返礼品費
接待・返礼品費は参列者数、飲食の人数に比例します。少人数で行えば費用は下がります。また通夜・葬儀を1日で行えば飲食が1回になり費用は下がります。

③宗教関連費
宗教関連費は宗教的儀式を行わず宗教者を呼ばなければ儀式に関する費用はかかりません。ただし、仏教式の場合はお墓との関係で戒名の問題があります。戒名などいらないと考えれば費用は当然かかりません。通夜・葬儀を1日で行った場合読経料を半額にできるかどうかですが寺院との事前の打ち合わせが必要でしょう。寺院側から慣習に反するとの考えが出る場合もあります。基本的にはお布施ですから半額とはいかないまでも2~3割の減額は交渉可能でしょう。

2.葬儀の形態の決定
喪主、遺族は、生前本人の自分の葬儀の在り方、希望について聞いておきできるだけ本人の意思に沿って行われると良いでしょう。しかし、実際には遺族が世間体を気にし、慣習に沿って行う場合もあります。宗教に関する問題は故人にとっても遺族にとっても譲れない場合があります。故人の宗教が家の宗教と異なる場合です。その場合はお墓も当然異なり新規に作る形になります。
費用を抑える視点から、どのような葬儀の形態で行うのか遺族間で検討し決定します。費用を抑えた葬儀の形態を以下紹介します。

3.家族葬
平均寿命が80代となり90代で亡くなる方も増えてきました。当然仕事の関係はなくなり知人・友人も減ってきます。家族葬とはそのような時代の反映であり一般葬儀の小規模なものと言えます。葬儀自体の内容は変わらないものとなっています。家族葬とは小規模な遺族・親族中心の小規模な葬儀と言うものです。世間体を気にせず簡素に行うことができます。

費用としては葬儀社で40万円から90万円台などでパッケージ化されたものが多くあります。ただしパッケージには含まれていないものもあり、喪主の側でも検討していくうちに欲が出てきてランクアップしがちで、実際には100万円台となる場合が多くあります。
この費用は葬儀施行費のみであり、接待・返礼品費、宗教関連費は含まれていません。

4.1日葬
一般的な葬儀では通夜、葬儀・告別式と2日間かけて行われますが、通夜を省略し葬儀・告別式・火葬までを、仏式であれば更に初7日法要までも、1日で済ませるのが1日葬です。
遺族・親族にとっても精神的、身体的負担が減り、経済的にも価格が減少します。ただし2日を1日にすれば費用が半分になるかというとそうでもありません。通常の葬儀料金の設定が会場費など2日セットになっているため半分にならず、宗教関連費も半分にはしにくいものです。2・3割減なら交渉可能でしょう。なくすことが確実なのは通夜振舞いの費用です。
問題点は、仏教式を中心に慣習・しきたりを重視する寺院の了解があります。また葬儀が1日なので参列できない人が一定出ることや、しきたりを重視する人からは葬儀の手抜きと捉えられることがあります。
葬儀施行費は40万円~ですが、接待・返礼品費、宗教関連費は含まれていません。葬儀全体では3割程度の費用の減少は可能でしょう。

5.無宗教葬
友人葬、偲ぶ会、送る会などの名称で行われる場合があります。故人の親しい友人や家族に囲まれて送るものです。宗教者を呼ばずに宗教的儀式を行いません。故人の生前の意思に基づく場合が中心です。
火葬のみ先行して行いお骨となってから葬儀を行なえば、葬儀場を使わずホテル、レストランでも行うことができ、食事の選択も自由になり、会場の雰囲気を明るく行うことも可能です。

問題なのは仏教式での菩提寺との関係で、戒名とお墓です。戒名をつけずお墓も新規に寺院以外の公営墓地、宗教を問わない民営墓地であれば問題ありません。戒名を求め寺院の墓地に入る場合は事前の菩提寺の了解が必要となるでしょう。

費用は葬儀社に後述する直葬形式で依頼すれば葬儀社の葬儀施行費が大幅に安くなります。また会場費、飲食費は喪主の側で葬儀社によらずに自由に選択・支払い、香典もなくしてしまい会費方式でやる方法もあります。宗教関連費がなくなり、接待・返礼品費のうち返礼品関係がシンプルなものになります。逆にパーティのように食事にこだわれば食事代が高くなり、特別のイベント演出をすればその費用が加わります。

また費用は会場費、飲食費、演出費により大きく変動します。
後述の直葬を20万円とした場合、参列者を50人とし飲食・記念品・会場費を含め1人15,000円とすれば200,000円+755,000円=955,000円となります。参列者数によりますが60万円~100万円が目安でしょう。

6.直葬
儀式的な葬儀を行わない火葬のみを行うものです。遺族以外の参列者がいない場合、費用を大幅に安く抑えたい場合などで行われます。火葬のみと言っても、火葬代以外に棺、寝台車、ドライアイス、供花、葬儀社の人件費などの費用は必要で、葬儀社でも直葬のコースで都市部中心に扱っています。火葬関連費用だけですから接待・返礼品費、宗教関連費はかかりません。ただし戒名やお墓の問題は別途あります。都市部では増加している形態です。
葬儀社の直葬コースの料金は20万円程度からです。

まとめ

一般的な仏教式の葬儀の形態を選ぶ場合制約されるのが檀家制度による寺院との関係です。寺院との関係が悪くなればお墓の問題になり、既存のお墓に入る場合は納骨の受け入れの可否の問題になります。
葬儀とお墓は一体の問題であり関連付けて検討する必要があります。お墓のない自然散骨という埋葬や、お墓を作らず自宅の手元に置いておく方法もあります。お骨を粉末にする専門業者もあります。
時代は葬儀に関して小規模で世間体にこだわらずに、費用を抑えた方向に向かっているのは確実です。